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歴史思考のまち、朝倉へ。

2024/12/3

2024/12/3 04:15

こんにちは。坂田です。

私の住む朝倉市では、甘木駅周辺のにぎわいを創出するために、駅前広場などの活用空間について話し合う地域住民によるチーム(甘木駅前検討部会)が構成されており、大変恐縮ながら私も参加させていただいてます。

今回、当部会において「甘木駅周辺の未来についての事業を企画する」という個別課題をいただきましたので、私もこの課題について真剣に向き合ってみました。

文化=耕す

これまで、様々なまちづくりのイベントや事業に関わらせていただく中で、ポジティブな雰囲気のまちには「文化」があるというのが共通点のように感じる機会が多々ありました。

そこで、「文化」とはなにか?についての問いを立て、本質を探ってみたところ以下のようなことを知りました。

文化の語源

文化は英語でcultureです。
そして、そのcultureの語源はラテン語のcoloreであり、この言葉には「大地を耕す」という意味があるそうです。

つまり、文化という言葉に内包される意味を考えると、「文化」とは「耕す」ことであり、これをまちづくりに置き換えて考えてみると、文化を生むためにはその地域を耕す(他の地域から持ってくるのではなく)ということが大切なのでは?と考えるようになりました。

朝倉の文化とは

長く朝倉に住んでいますが、現時点では「朝倉といえば◯◯!」みたいな文化はほとんどないなと感じています。
朝倉がいい場所であることに疑いはないのですが「朝倉ってなにが有名だっけ?」という質問をされても、いまだにひとことでうまく説明することはできません。
これは、おそらく多くの人が同じような印象であり、特に同世代と朝倉の話をしていると「朝倉って豪雨災害のイメージくらいしかないなぁ」と言われることがほとんどです。

  • 野菜が美味しい

  • 果物が豊富

  • 九州の真ん中みたいな場所

  • 物価が安い

などなど、朝倉に住んでこそわかる強みはたくさんあるのですが、これらは住んでいない人からすると隣町(うきは市や筑前町など)にも該当することであり、朝倉の特徴というよりもはや北部筑後エリアの強みのような気もします。

車だと福岡市内へのアクセスがしやすいベッドタウン的な強みを聞くこともありますが、個人的にはトカイナカ(都会だけど田舎)でのブランディングにある程度成功している筑前町の隣でベッドタウンを強みにするのは無理があるなと感じたりもしています。
実際、福岡でおすすめのベッドタウンを知人に聞かれたときは、正直に筑前町か小郡市を案内しています。

そんな中、個人的に「これは朝倉だけかな」と感じる特徴があります。

それは、"古代の歴史や伝説が豊富"という部分です。

朝倉は、邪馬台国の候補地であったり、神功皇后や斉明天皇など古代の天皇にまつわる神社や伝承がたくさんあります。

これらの歴史や伝説は古すぎて資料や遺跡なども残っておらず、もはや事実かどうかを判別するのは難しいのですが、個人の受け止め方次第では「朝倉は日本が始まった場所」くらいの受け止めもできると感じています。

つまり、"日本のスタートアップ、朝倉"ということです。

なので、今回は「歴史が豊富」という特徴を耕すことで朝倉の文化を作ることができるのではないかと考えました。

歴史という教養

「古代の歴史が豊富という特徴を耕そう!」となったわけですが、朝倉の古代史の多くが事実かどうかわからない以上、歴史の観光地としてPRするのは個人的にはあまり向いていないのかなと感じています。(学者が調査に来たりするのはいいと思いますが)

「大々的にPRしておいて、よくよく調べたら本当かどうか分からないじゃん」と思われるのは後味悪いと思うので、あくまでも「そういう伝説があるらしい」くらいのPRに留めておくほうが良いと考えています。

余談ですが、私の家の近くには、斉明天皇が朝倉へ遷都した際の拠点とされる橘の広庭の宮跡地があるのですが、最近の研究ではおそらく本当の橘の広庭は朝倉内の別の場所だろうとなっていることを聞きショックを受けたことがあります。

朝倉の古代史が事実である証拠を見つけるというのもロマンがあって面白いのですが、現時点での邪馬台国の第一候補地である纏向遺跡で50年以上の大規模な調査をしているにも関わらず、大きな手がかりはあまり見つかっていないことを考えると、朝倉で同じことに挑戦するのはリスクがデカすぎるように感じます。

では、どうやって「古代の歴史が豊富という特徴を耕す」かというと、「歴史に興味を持つことで幸せな人が増える」というロジックで、まちをポジティブな雰囲気に近づけることができるのではないかと考えました。

歴史思考の人がたくさん住んでいるという文化ができたらいいなということです。

歴史思考について

最近、歴史は多くの現代人を幸せにできる教養だと言われるようになってきています。

多様化した現代において、歴史という教養を身につけることは、人類の多様性を体系的に学ぶのにとっても有効だからです。

それは、個人的にそう実感しているだけでなく、歴史思考に関する本がたくさん売れて高レビューを獲得していたり、音声配信サービスのポッドキャストでは、歴史に関する多くのコンテンツがたくさん再生され、高評価を連発していることからも社会全体にもそう言う流れがあると実感しています。

中でも、世界史のデータベースを作っている株式会社COTENが配信するCOTEN RADIOや、代表の深井氏による「歴史思考」という本は、「歴史を知れば悩みが吹っ飛ぶ!」というコピーで多くの方に読まれているようです。

世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する 歴史思考

朝倉×歴史=みんなが生きやすいまち

こういった背景から、以下のような流れで歴史が豊富という朝倉の特徴を耕して、文化を醸成することができれば未来は明るいのはないかと考えました。

  1. 歴史のまちというブランディング
    朝倉は古代史(史実というより伝説)が豊富という特徴がもっと多くの人に認知され、まちの人々と歴史の接点を増やす。

  2. まち全体へ歴史思考を社会実装
    歴史に触れるまちの人々に対し、朝倉の古代史以外にも歴史を学ぶことで現代を生きるのに役立つということが認知され、歴史思考を身につけた人がまち全体に広がる。

  3. みんなが生きやすいまちへ
    歴史思考を身につけている人が増えることで、価値観が多様なまち=みんなが生きやすいまちになる。

と、まぁ50年くらいかかりそうな壮大な計画ですが、個人的に「歴史思考」自体は今後の数年間で(朝倉に限らず)日本全体にかなり社会実装できると本気で思っています。
というか、衰退し続ける今の日本社会は、もうそろそろ旧型の古い思考から現代仕様に思考をアップデートしないと本当に終わると感じています。(iPhoneとかでいうとOSを全然アップデートせずに使い続けてるみたいな感覚です)

私も親になったり、兄弟や同世代に子どもができて、小さい子どもたちと関わる機会が増えると、こんなに未来が真っ暗と言われている日本社会を作ってしまった責任を多少なりとも感じるようになりました。今となっては20代後半まで自分の幸せばかりを考える生活をしていたことがダサすぎて恥ずかしいです。

なにをどう考えても子どもたちには幸せな人生を送ってほしいし、少しでも明るい未来にしなければと思っています。

壁打ち相手になってほしい

そんなこんなで、歴史を武器に文化を耕していきたいという方向性は出来たものの「では、どうしていくか?」という部分が全くと言っていいほど思い浮かんでいません。

市役所への課題提出はとりあえず何かしらイベントをしようという感じの内容で、とても雑な状態で企画書を提出しました↓

やろうとしていることは、古代の歴史が豊富であることをきっかけに、
「歴史に興味を持つ」こと
「現代は歴史思考を身につけると役に立つことが認知される」こと
を目指すというシンプルな構造ですが、そのためになにをしたらいいかを考えるのはすごく難しいと感じています。

まちづくりというと、再開発をしたり、大きな企業や店舗を誘致したり、イベントをしたり、観光スポットを作ったりといったことがほとんどで、ここで考えている「みんなで歴史を勉強して幸せになろうね」みたいな事例は、周りを見渡してもあまり参考になりそうな事例が見つかりません。

「歴史を勉強して幸せになる」という話は、これまでは家族や友人、仕事仲間、地元の中学校などでお話をさせていただき、いろいろとフィードバックをもらうなかで感触的には「かなり効果がある」という一定の自信がついてきていますが、まだまだたくさんの人からの意見を聞きたいです。

ぜひ、共感してくれる人も全く共感できない人も壁打ち相手(話をしてフィードバックしてくれる相手)になってくれると嬉しいので、ご一緒していただける方はご気軽に連絡をお待ちしております。

坂田 拓也

1994年生まれ。福岡県朝倉市出身。
朝倉の斉明天皇にまつわる伝承が残る朝闇神社、宮野神社、別所神社などを奉祈したとされる吉松但馬氏の吉松一族の血筋を母方に引いており、現在は吉松一族が江戸時代から居住していたとされる朝倉市宮野地区でデザイン業をはじめ、様々なまちづくりの活動に参加している。

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